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8月4日号 穂が出たよの巻
小学生のころ夏休みともなれば日記や夏休みの研究で気温をつけた思い出は誰にでもある。小生もごたぶにもれずせっせと夏休み中の最高気温の記録をつけたものだ。ふだんはふつうのエンピツで記録するのに、30℃を超えようものなら赤エンピツで「暑いぞー31℃」なんて書いたものだ。ところが今年の夏ときたら毎日赤エンピツで特別な感じがぜんぜんない。ちかごろの小学生は40℃以上になると赤エンピツなのだろうか?そんな猛暑つづきの中、日中に田圃に行くのは少しつらいので今日は涼しい早朝に出かけることにした。

午前5:30気温23℃、久しぶりにすがすがしい朝を迎えた。最初に田植をしたコシヒカリがすでに出穂していた。白い花が咲き凛とした姿はそれは美しく一面に広がった風景はちょっとした現代美術風でさえある。猛暑による高温障害で心配された病気や害虫の発生もみられず、これが無農薬なのかと目をうたがうばかりである。この状況を可能にした一つの要因に密集してないスカスカの田植え6月10日号田植えをするの巻を参照)にある。稲と稲の間に空間があるために熱がこもらず湿気も少ない。そのため病気にかかりにくい。農薬を使っていないから生き物の個体数が多く、とくにこの時期ともなると肉食性生物が稲につごうの悪い害虫を捕食するために被害がないというわだ。いわば田圃の生態系が稲を守り米を作っているのである。地を這うヘビ、葉を飛び回るカエル、葉先と穂を結んで罠をかけるクモ、見ている目の前でクモが獲物を捕らえた。すがすがしい朝にも生命の躍動に休みはないのである。

さて米屋の小生としては生命の躍動もさることながら、そろそろ米の品質が気になり始めるところ、稲をはじめほとんどの植物は日中つくったデンプンを涼しくなる夜間に実に蓄積する。日中いくら気温が上がろうとも(まあ限度はあるんだけどね)夜間の気温が下がりさえすれば美味しい米ができる。砂漠のような乾燥地帯の果物が甘いのはこのいい例だ。しかし夜間気温が熱帯夜と呼ばれる25℃以上の日が続くと稲は消耗し疲労物質を蓄積してしまう。それはイコールおいしくない米なのである。松下くん曰く「日照りに不作なし!ここからがプロの腕の見せどころ!」と豪語しつつも「夜は涼しくなってくりょう!」と思っているはずである。あと約40日でフィニッシュ、今宵も豊作を祈りつつ祝盃をかたむける小生なのである。
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すべてに実がはいる

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カエルの世界

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spider world

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あと40日

5:30AM 23℃
5:30AM 23℃
2001年01月14日 [ 3875hit ]
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