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火耕水耨(かこうすいどう)

 

 

今年も4月からはじまるアートロ2015。
今日は本番に向けての実験日。焼き水田+土器野焼きを行った。

 

焼くことで休耕されていた雑草だらけの田んぼの草を掃い、その焼灰をカリ肥料として利用することと
その熱エネルギーで土器も焼いてしまおうという一石二鳥のアイデアの技術実験。
当時じっさいに行われいたかどうかは分からない。
けれど、出土する様々な遺物から想像する登呂村の暮らしぶりは、
資源の無駄使いなど一切なく何もかもが合理的効率的な感じがすることから
アートロではこんな仮説が生まれたのだ。

 

田んぼの中心部に土器を納めた野焼きドームを作る。
その周辺に同心円状に藁や草、落ち葉で作ったモクを火道として少しづつ燃やしていく。
火が一周まわったところで又のある棒で火を寄せ内側のモクに火を移す、
内側のモクも同じように一周まわったら最後に野焼きドームに火を移す。
こうすれば野焼きドームは徐々に暖められ土器の焼成時の破損も防ぐこともできる。
また火のコントロールも容易なため周辺への延焼も防ぐこともできる。
なにより、少しずつ燃えていく様はじつにのんびりとしていてなかなか良い光景であった。

 

今年アートロが実験する焼畑ならぬ焼水田は、
古代中国で行われていたという水稲農法「火耕水耨(かこうすいどう)」にも似た農法。
抑草、除草、施肥が一体となったかのようなその農法に、アートロでは「土器も焼く」ことも加味した画期的な農法。
本番は5月、今から楽しみだ。

 

 

【火耕水耨:かこうすいどう】とは・・・
中国漢代の「史記」や「漢書」記されている古代江南地方で行われていたという水稲農法。
その方法には諸説あるが実際にはよくわからない。
四文字から察するに「火で耕し水で草を刈り取る」。つまり焼畑を水田で行うかのよう。
肥料や農薬などの技術が生まれるはるか昔、先人たちが気づいた水稲技術である。

 


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2015年03月24日 [ 4803hit ]
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