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第13回カミアカリドリーム勉強会レポート
 
 
  6月30日、第13回カミアカリドリーム勉強会が開催された。今回は経済をテーマにカミアカリの社会的価値をどう考えていくか?をテーマに、カミアカリに関わる若手3人のプレゼンターを招いて30人の参加者たちと対話を行った。
 
 まず始めに、大学で経済学を学んでいる現役の大学生石垣さんによる経済学講座を土台に、経済学が目指す世界と現実に繰り広げられている市場経済のギャップ、また一物一価的な物の見方では説明できないカミアカリの価値について、立場を超えて意見を出しあった。
 
 消費者のTさんはカミアカリとは、すでに一般的な米と言われるものではなく一物一価で定義されるような冷たいものではない。それをどう認めてもらうかがカミアカリの社会的価値の創造であると述べ、自身の会社員としての経験から、カミアカリが持つストーリー、さらにそれが誰によって語られるのかが重要と述べ、それには人の存在がたいへん大きいことだと意見した。
 
 米屋でカミアカリを販売をしている山崎さんはお客様からのカミアカリの分づきの注文について「玄米で食べることを前提にしているカミアカリを分づきにしたら、カミアカリではなくなってしまう・・・」ことをどのように消費者に説明できるか?自分たちと消費者の間のギャップがまだあると述べ、多様な消費者のニーズに答えつつも正しくカミアカリの価値を伝えていくことの難しさを報告した。
 
 伝える立場として、カミアカリの販売の傍ら、カミアカリで麹づくりや味噌づくりを営む増田さんが「価値を伝えるには、味噌作りなどの体験ワークショップを実践する」など、日常業務を外部の人(お客様等)に共感してもらう機会を作ってきた経験を、活動の様子を画像で見せながら説明した。
 
 大学生の石垣さんは、カミアカリはコンピュータでいうなら、ウィンドウズではなく、アップルのようであるべきだと意見し、カミアカリが持っている類まれなストーリーと他にはない穀物としての価値は美学そのもので、それらを周知してもらうためにアグレッシブに語り、見せていくべきだと意見した。
 
 その話しを受けて消費者の立場である勉強会の石垣は、カミアカリはあくまでも毎日たべるお米として、ごくふつうの穀物としてあってほしい。勉強会がいう100年先の未来のために何をすべきか?からすれば、むしろ米、パン、麺、カミアカリ・・・というように、日常ふつうの選択肢の中の食べ物としてきちんと説明すべき存在だと意見した。
 
 食品メーカーの若手営業マンのFさんはカミアカリのような作り手の思いが魅力の商品を流通させていくには「美学」や「物語」が大切だと述べ、自身が営業している生ドレッシングの販売を例にあげ、販売店や消費者との折り合いをつけていく上でこの「美学」なるものはキーワードになると意見した。
 
 最後にこのテーマを企画したカミアカリ勉強会の小谷が我々は考える消費者になるべき、知ること、興味を持つこと、関わること、これはもう人ごとではなく、考えることをしなくなった時、我々自身の仕事も失われるのではないかと意見し勉強会を締めくくった。
 
 また、対話を始める前のランチタイムでは4人カミアカリ(静岡藤枝松下、福島会津菅井、茨城奥久慈大久保、山形遊佐齋藤)を土鍋で炊き食べ比べも行った。おかずには今回若手プレゼンターのひとり、増田さんによる福島会津菅井カミアカリ味噌でつくったみそ汁などもふるまわれた。
2013年10月28日 [ 3981hit ]
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