2008年度
imageアンコメ米作りプロジェクト2008

 安東米店では、地元静岡で米作りを専業とする藤枝市の松下明弘さんとともに、
「地元静岡らしい稲作」
「自分にしかできない稲作」
「この田圃にしかできないオリジナリティ」
を合言葉に2001年から米作りのプロジェクト、「アンコメ米作りプロジェクト」を行ってきました。
現在このプロジェクトの生産者である松下明弘さんは、自身が確立した独自の有機栽培技術(無農薬無化学肥料栽培)で約17年の実績がある有機JAS認定を取得している実力者です。 
その技術は品質、食味とも年々磨きがかかり、2005年平成17年産以降は満足できる仕上がりと当店のテイスターが実感できるまでに成長しました。またそれと同時に、このお米は安東米店の人気ブランドにまで成長しました。
しかしこのプロジェクトで生産されるお米は、当店が年間で販売するお米の全数量のたった3%程度のわずかなものです。そんなわずかな生産量にも関わらず、当店にとって「お米とは何か?稲とは何か?」また「本物とは何か?」という問いに対して多くの知る機会を与えてくれています。
そればかりか生産者の松下さんも自らが栽培したお米と、全国から安東米店に入荷する様々なお米と比べることや、店主とともに全国に散らばる有能な生産者とも交流することで自らの稲作を客観的に判断する場ともなり、さらなる質の向上を図るという好循環ももたらしています。
そんなアンコメ米作りプロジェクトは今年2008年平成20年産米でついに8作目、さらなる質の向上と松下さんの田圃にしかできない風味風合いが、より表現できるよう米作りを展開することを目指していきます。
このコンテンツでは、そんな松下さんの栽培現場の断片とその後のご飯になるまでを、今年もアンコメ店主が撮影する写真とともに独自の視点で熱くレポートしていこうと思っています。横道に逸れることのほうが多いコンテンツですが、どうぞよろしく!

関係者プロフィール

松下明弘(まつした・あきひろ)
1963年生まれ、81年藤枝北高卒業。88〜90年の2年間青年海外協力隊に参加、東アフリカのエチオピアで野菜の栽培指導を行う。帰国後、父親の他界を機に専業農家となり実家の圃場で有機無農薬栽培による米栽培をはじめ現在に至る。2001年JAS有機認証を取得。巨大胚芽米カミアカリ(2008年3月6日品種登録)の生みの親でもある。松下明弘(まつした・あきひろ)
長坂潔曉(ながさか・きよあき)
1963年生まれ、88年武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒業。90年家業の安東米店に入店。逃げ回っていた足元にある家業の中に、学生時代に気づいたモノづくりの本質を見つけ、97年松下明弘さんとの出会いから「田圃からお茶碗まで」というコンセプトで米を考えるようになり、いっそう米の世界にのめり込む日々を送る。2004年五ッ星お米マイスターを取得。2007年巨大胚芽米カミアカリのための勉強会カミアカリドリームの代表を務める。長坂潔曉(ながさか・きよあき)

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6月15日号 田植えは始まりの終わり。
6月15日号 田植えは始まりの終わり。  小笠山にトレッキングに行った帰り、六合駅で途中下車して田圃へ寄ってみた。作業小屋に近づくにつれFMと思われるラジオの音が聞こえてきた。「いるな・・・」ヤツが仕事していることが道を隔て、姿が見えないところからもわかった。一部の苗で下葉が枯れるほど生長スピードが速まった。辛いことだが、その分をすべて作り直すこととなった。畔に積み上げられた...
2008年01月28日 [ 3033hit ]
6月9日号 それでも化石エネルギーに頼るのは。
6月9日号 それでも化石エネルギーに頼るのは。  有機農業という言葉の響きの中には「自然な農業?」、あるいは「地球にやさしい?」なんてイメージを持つ人もいるだろう。まあ、かつて何も知らなかった私だってそういうイメージを持っていたけれど。石油の価格が上昇している。今日、車にガソリンを入れたらリッター170円だった。世界を一瞬のうちに駆け巡るマネーの仕業?需要と供給のアンバランス?様々な要素...
2008年01月28日 [ 3182hit ]
4月29日号 家畜化していない米の味。
4月29日号 家畜化していない米の味。  今日は雑誌の取材があった。滋賀から2人、東京から2人、編集者とその担当ライターのチームである。集合時間の9時には全員安東米店の事務所に揃い、依頼されていたお米のレクチャー&土鍋炊飯を披露したのである。講座でいつもやっているクイズ形式のレクチャーがひとしきり終わった後、炊飯土鍋で飯を炊いた。炊いたお米は、やはり当店のフラッグシップ米、松下&time...
2008年01月28日 [ 3172hit ]
4月27日号 ここから生まれる米がある。
4月27日号 ここから生まれる米がある。  日曜日ふと思い立って田圃へ向かった。それはもうそろそろ最初の種まきをやっている頃だと思ったからだ。行ってみるとビンゴ!正解だった。朝から種まきを始めちょうど今、整地された苗場に種を撒いたパレットを一枚一枚並べ、その上から銀色のシートをトンネル状に被せる作業をしているところだった。苗場は毎年完璧に平らに整地する。贔屓目に言えば枯山水的な...
2008年01月28日 [ 3168hit ]
4月14日号 有機肥料原料の調達。
4月14日号 有機肥料原料の調達。  「糠(ぬか)を貯めておいてくれ・・・」毎年この時期になると松下から電話連絡が入る。今年栽培に必要とされる肥料原料をこの時期調達し、独自のレシピで有機発酵肥料(ぼかし)を自ら作るのだ。今年もまたその季節がやってきたのだ。ところが今年はどうも例年とは様子が違うという。「なたねの値段が高騰しているんだ・・・それと糠の集まりが悪い・・・」今年...
2008年01月28日 [ 3412hit ]
3月30日号 ありのまま を、伝える。
3月30日号 ありのまま を、伝える。  2008年、今年になってから田圃へ行くのは意外にも今日が初めてだった。毎年この日を迎えるにあたって「今シーズンは何をテーマにコトにあたろうか?」と悩む。それは、どんな記事を書こうかということでなく、どんな視点で写真を撮るか?の方だ。じつは今年のテーマはもうすでに決めていた。というより一昨年、昨年とずっと実行しようと試みたができなかったこと。...
2008年01月28日 [ 3230hit ]
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