安東米店の米作り2大プロジェクト「松下×安米プロジェクト&高野×安米プロジェクト」
安東米店では、地元静岡で米作りを専業とする2人と生産者、藤枝市の松下明弘さんと菊川市の高野順也さんとともに、「自分にしかできない最高の米作り」、「この田圃にしかできないオリジナリティ」を合言葉に2001年から米作りをサポートするプロジェクトを行ってきました。
生産者の松下明弘さんは自身が確立した独自の有機栽培技術で、無農薬無化学肥料で約15年の実績があり有機JAS認定を取得している実力者です。その技術は品質、食味とも年々磨きがかかり、昨年2005年平成17年産では最高の仕上がりと当店のテイスターが実感できるまでに成長しました。いっぽう高野順也さんは、学生時代の恩師から学んだ無肥料栽培を自らのものにすべく、現在孤軍奮闘中です。昨年2005年平成17年産では、順調な仕上がりを予感させた直後、思いがけず害虫の被害に遭い、いま一歩のところで残念な結果になりました。しかし、そのポテンシャルの高さを充分に予感させる一年でした。
このプロジェクトで生産されるお米は、当店が年間で販売するお米の全数量のたった3%程度のわずかなものですが、当店にとって「お米とは何か?稲とは何か?」また「本物とは何か?」という問いに対して多くの知る機会を与えてくれています。いっぽう、生産者も自らが毎年栽培したお米を全国から安東米店に入荷する様々なお米と比べ客観的に判断する場ともなり、さらなる質の向上を図るという好循環ももたらしています。
そんなプロジェクトの今年2006年平成18年産米は昨年同様に、松下さんとの米作り「松下×安米プロジェクト」がついに6作目、さらなる質の向上を目指します。そして高野さんとの米作り「高野×安米プロジェクト」は2作目、昨年の悔しさをバネに再挑戦を計ります。この二人の生産者が彼らにしかできない個性を競い合う、すばらしい米作りを展開することを目指すべく今年もサポートしていきます。そんな彼らの栽培現場の断片を、このコンテンツで小生の乱筆と乱写で熱くレポートしていこうと思っています。どうぞよろしく!
関係者プロフィール
松下明弘(まつした・あきひろ)
1963年生まれ、81年藤枝北高卒業。88〜90年の2年間青年海外協力隊に参加、東アフリカのエチオピアで野菜の栽培指導を行う。帰国後、父親の他界を機に専業農家となり実家の圃場で有機無農薬栽培による米栽培をはじめ現在に至る。2001年JAS有機認証を取得。 |
高野順也(たかの・じゅんや)
1971年生まれ、95年九州東海大学農学部、大学院を修了。同年4月より2年間の農家研修を経た後、菊川市内の圃場で減農薬減化学肥料による稲作をはじめ現在に至る。「心が伝わる作物を」をテーマに農家からの食の提案をできればと模索中。2004年食生活アドバイザー3級を取得。
「高野農場の日記」 |
長坂潔曉(ながさか・きよあき)
1963年生まれ、88年武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒業。90年家業の安東米店に入店。嫌いで逃げ回っていた足元にある家業のお米こそ学生時代からモノづくりのテーマだった「作為のない美しさ」だと気付かされ「お米はアートだ!」とのめり込む日々を送っている。2004年五ッ星お米マイスターを取得。 |
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