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松下圃場
松下圃場

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。その7です。

 

 栃山川頭首工を見学した後はいよいよ巨大胚芽米カミアカリが育っている姿を見に松下さんの田圃へ行きます。
 かつて一面の水田だった志太平野は、その中央に新幹線と東名高速道路が走る頃から、その様相をすっかり変えました。その後80年代以降には、静岡市のベットタウンとして田畑が住宅地に姿を変わり、交通の大動脈に隣接するところでは工場に変わり、発電所からやってくる高圧電線が張り巡らされていきました。
 大井川の水も、田畑を潤す役目と共に工場用水の役も果たしていきました。志太平野は経済成長するニッポンそのものの変化をそのまま受け入れてきたと言っても過言でないでしょう。

 

 その中に松下圃場はあります。松下さんが栽培する田圃の中には、そんな住宅や工場に隣接して窮屈そうに見えるところがいくつかあります。表層的に見れば変化し昔の面影はありません。しかしこの土地が持つ基本的な部分は、昔と何も変わっていないと、松下さんは云います。その連綿と続く歴史の上にカミアカリは生まれたのでした。

 現代のありのままを受け入れながら、その中で繰り広げられている農を、松下さん自身に解説していただきます。岡部ゆとり庵さんのカミアカリ弁当をいただきながら。

 

画像上:カミアカリ圃場

画像下:イトミミズが生む大量のトロトロ層

2010年08月19日 [ 3750hit ]
栃山川のはじまり
栃山川のはじまり

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。その6です。

 

 この地域の田圃を潤しているのは川口取水工から始まる大井川用水路であることは、すでにお分かりいただけたと思います。そしてツーリズムは、ついにカミアカリが生まれた松下さんの田圃に運ばれる水の起点を訪ねることになります。それが栃山川頭首工です。
 

 ここを基点として駿河湾まで総延長37キロ、もともとは古代の大井川の流路でもあったそうです。現在は改修工事が行われ、木屋川と並んでこの地域の用水路としても機能しています。栃山川や木屋川は、志太平野の中では、エピソードも多いたいへん歴史が深い川です。それらを調査している方たちにとって、栃山川頭首工を訪ねるのは感慨深いものがあります。このどうってことないように見える風景の中に、長〜い長〜い歴史あるんですよ。

2010年08月18日 [ 4096hit ]
明治維新と橋。
明治維新と橋。

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。その5です。

 

 牧之原開拓の祖、中條景昭(ちゅうじょうかげあき)像のある記念公園からは対岸の島田藤枝側まで徒歩で川を渡ります。
 現在、大井川にかかる橋はいくつもありますが、その中でももっとも有名なのは、やはりこの蓬莱橋。世界一長い木造歩道橋(897.4m)としてギネスブックにも認定されています。
 じつはこの橋、明治12年牧之原開拓を簡便にするために作られました。明治維新によって旧幕臣の失業、川越制度の崩壊に伴い島田金谷両宿の川越人足の失業など大量の失業者の雇用を牧之原開拓が担ったというわけです。蓬莱橋はその開拓事業のための重要なインフラ整備だったのです。今は静かに佇んでいる風情のある橋ですが、歩きながら往時を想像してみたいものです。

 

画像:東岸から西岸を望む。橋の向こう側が牧之原台地である。

2010年08月17日 [ 4037hit ]
大井川扇状地を望む。
大井川扇状地を望む。

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。その4です。

 

 大井川の西岸には、有名な牧之原大茶園があります。その高台から駿河湾にまで広がる大井川扇状地を一望することができます。訪ねるのは、牧之原開拓の祖、中條景昭(ちゅうじょうかげあき)像のある記念公園です。
 じつはこの大茶園を潤す水もまた、川口取水工からやってくる大井川の水なのです。かつては旅人を足止めさせ、平野を縦横無尽に暴れ被害をもたらした大井川、今はこの地域にとってなくてはならない命の源となっているのです。

 

画像上:茶畑の下に広がる平野が大井川の扇状地。奥に見えるのは静岡と焼津藤枝を分かつ山、高草山。

画像下:中条景昭立像。大政奉還後の幕臣たちを率いて、この地を開墾した立役者。最後の将軍、徳川慶喜公の家臣である。

2010年08月16日 [ 4831hit ]
水の橋
水の橋

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。その3です。

 

 ツーリズム2日目は、いよいよ松下さんのカミアカリが育つ志太平野を潤す水が、どこからやってくるのかを訪ねる旅です。
 日本を代表する大井川用水の起点となる中流域、川口取水工を訪ねた後は、「大井川水路橋」です。この手前で用水は分水されたあと、一方は東部方面の志太平野へ、一方はこの橋を渡って、西部方面小笠菊川地域へ運ばれるのです。
 川の上を川が渡っていく水の橋。人間の英知の結晶のように見えます。その上を今日も通勤通学の地元の方が行き来しています。
 

2010年08月16日 [ 4545hit ]
これは何?
これは何?

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。その2です。
 
 伊勢神宮の出張所、大井川の川止めで足止めされた人々の代参地でもあった岩田神社を後にし、徒歩で東海道を東へ行くと次に向かうのが千貫堤・瀬戸染飯伝承館です。
 画像を見てもそれが何なのかきっと判らないでしょう。これはかつての堤、千貫堤という名の堤防です。江戸時代の寛永年間に大井川の氾濫から村々を守るために築かれたものです。現在はそのほんの一部しか現存していませんが、資料館がかつての堤の上に建てられ、それらを今に伝えています。
 

2010年08月12日 [ 4639hit ]
これが面白い。
これが面白い。

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。
 

 初日の序盤、岩田神社に参拝します。このどこにでもあるように見える旧東海道沿いにある小さな神社の祭神は、なんと天照大神豊受大神なんです。要するに伊勢神宮の出張所みたいなところなんです。
 なぜこの場所に出張所があるのか?解説によれば、伊勢神宮参拝の往路に大井川の川止めで足止めされた人々が、この岩田神社で代参を済ませて帰郷したというのです。
 「越すに越されぬ大井川」という言葉どおり激流の大井川の厳しさを思い出すと同時に、一大決心をして伊勢参りに望んだ旅人に、代参というもう一つの選択をちゃんと用意するあたりが、いかにもニッポン的発想だと思いませんか。こういうあまりストイックになり過ぎないところ、魅力に感じます。
 

2010年08月11日 [ 4967hit ]
ご飯炊き。
ご飯炊き。

 「前にラジオで云ってた美味しいご飯の炊き方って・・・?」という質問を、昨晩同窓会で会った旧友に聞かれた。数年前に、地元FMラジオ局の朝の番組で週1回2ヶ月に渡ってお話ししたことを、彼は覚えていてくれたのだった。というわけで、あらためてそのことについてアップしようと思います。

 

 「ご飯炊きとは、煮る、蒸す、焼く、の複合加熱でお米のベータデンプンをアルファ化することで消化しやすくすること・・・」


 ご飯炊きのことを学ぶ時、たぶんこんな文言から始まるのです。ご飯炊きとは何か?を知ると、熱源が何でも(ガスや電気、あるいは炭や薪)美味しいご飯を炊く約束事はすべて同じだということを知ります。ただし、それぞれの方法には、得意なところ、得意でないところ。便利なところ、便利でないところがあるのです。

 

 例えばアンコメがオススメしている土鍋によるご飯炊きは、予約や保温などの便利機能はないですが、ご飯を炊くことをシンプルに理解でき、難しいテクニックなしに誰にでも美味しいご飯を炊くことができる優れた方法です。
 ただし、土鍋で炊くことも大事ですが、それ以上に下準備がたいへん重要です。下準備は、炊飯器で炊く場合であっても有効ですから、ぜひ試してみてください。日頃食べているお米がグレードアップしますよ。ここもしっかり覚えれば、あなたも今日から飯炊き名人です。

 

<下準備>


米研ぎ(洗い)
丁寧は良いが、絶対にお米を割らないこと。(いいかげんが、良い加減)


水に浸す
品種、米質、季節、新米、古米に関わらず2時間以上。デンプン分解酵素(アミラーゼ)の活性を充分に行う。(寒い地方の冬季はもう少し長時間)


水を切る(捨てる)
酵素活性し不純物の出た水を捨てるための作業。ただし時間は5分以内(5合くらいの場合)、放置し過ぎて米粒が割れないように要注意。


水加減(新しい水で炊く)
浸漬米(水を吸ったお米)重量と同量(1:1)の水が基本。新米、古米の区別なく、あとはお好みで調整。(1:0.95がアンコメ好み)


炊飯水
軟水(硬度100以下)日本の水なら概ね良いです。地域によっては硬度の高い地域もあるので要注意。

 

<ご飯炊き>


加熱、沸騰までの時間
10分以内。土鍋の場合熱伝導が悪いので最初から強火。カロリーの高い方のバーナーがオススメ。金属鍋&IH熱源でも同じ。


沸騰後したら
炊飯容量や土鍋にもよりますが中火で3分から5分で消火。サウンド的には「ブツブツ」が聞こえたら消火。この時間を長くすればおこげができます。少しくらいおこげが出来るくらいが、むらのないアルファ化(デンプン糊化)の証。


むらしまで
土鍋の場合、消火後も土鍋蓄熱力で煮る、蒸す、焼くを行い、余熱でむらしまで自動!でやってくれるのです。ここが土鍋炊飯の真骨頂! 消火後約20〜25分で召し上がれ! (蓄熱力のない鍋の場合は、再加熱するも良し)


保温
攪拌後、土鍋ごとポットカバー風にバスタオルなどでくるんでおけば、かなりの時間暖かいご飯が食べられます。もっともこのようにちゃんと炊けたご飯なら、冷めても温かみのあるご飯になりますから、保温の必要は皆無ですが。

 

<土鍋購入のポイント>
・肉厚で充分な重さのあるもの(蓄熱力が期待できます)
・深さのあるもの(炊飯専用で二重蓋ならさらに良し)
・大は小を兼ねます(少し大きめを選ぶとなにかと便利)
・格好良いお気に入りを見つけること(やる気倍増)
・土鍋はいつかは割れます(まずは高級なものよりお手頃価格がオススメ)

 

アンコメオススメ炊飯土鍋 四日市万古焼炊飯土鍋(日本製)
2合タイプ 3400円
4合タイプ 6800円
6合タイプ 9200円

2010年08月09日 [ 13087hit ]
見えているけど、見えてないもの。
見えているけど、見えてないもの。

 すでにカミアカリドリーム勉強会のコンテンツでも募集告知をしている「2010カミアカリツーリズム静岡藤枝」。そのプランを作るにあたって、ホスト役の松下さんをはじめ、多くの方の意見を盛り込んで作りました。
 調査のために、じっさいに現場を歩いて確かめてみると、たくさんの発見と驚きがありました。それは静岡に住んでいて、それら風景に見慣れている私にとっても新鮮なものばかりでした。というより、「見慣れているからこそ意外だった・・・」なのかもしれません。

 

 暴れる水でありながら、同時に恵みの水でもある大井川。暴れる水との戦いの歴史。いっぽうで、その恵みで大地を潤し、水があってこそ生まれる、そしての存在。

 恵みを最大限生かすために作られた複雑で精緻な治水の仕組み。その歴史は代々受け継がれ、氾濫原だった大井川扇状地を恵みの土地に変えていった。それらの一部は歴史として埋もれていくものもあるけれど、今も現役で活躍しているものもある。それらが一体となって、この扇状地「志太平野」があるのだ。

 

 8月21日は、地元の歴史ある酒造蔵元の杜氏さんと、千貫堤・瀬戸染飯伝承館の郷土史家の方のお話し。
 8月22日午前は、大井川の用水路を管理されている担当者の方のお話し、昼からは、志太平野とカミアカリを生んだ水田のお話しを松下さんからたっぷりと、栃山川周辺の民俗学の編纂に関わった専門家のお話しなど、現場を訪れながら5人の専門家のお話しをたっぷり聴くことができます。

 

 こんな機会はめったにないと思います。カミアカリドリーム勉強会に参加されたことのない方でも、参加可能です。「見えているけど、見えてないもの」を一緒に発見しませんか?詳しくは、コチラをご覧ください。
 

画像:栃山川用水路の始まり。

2010年08月07日 [ 4515hit ]
開花。
開花。

 庭にあるマイリトルライスフィールド。カミアカリの稲が開花しています。画像は、その直後のもの。緑色のもみが開いておしべが現れます。と同時に受粉をします。そして残った花粉は風に乗せて飛ばします。小さいながらも、身近に田んぼがあると、こういう瞬間に出会えてうれしいです。

2010年08月03日 [ 4659hit ]
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