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歩く。
歩く。

21日の晩までにまとめなくてはならないことがあるのに、いっこうに進まない。
思いも材料も、たくさんあるにも関わらず、流れを作るきっかけがつかめない。
一昨日の夜、年下の師に、「こんな時どうしたらいい?」と聞いてみた。
「散歩がいいですよ」
ソファの彼は云った。我師の指摘精度は信頼に値する。

 

そして今日、ふらっと散歩に出た。
公園を抜け、駅前の美術館に寄り、さらに南を目指した。
一時間半ほど歩いたら海に出た。
日差しは強いが湿り気のない風が心地よい。
プールのある公園広場は賑やかで、音楽イベントと海岸の砂浜ではビーチバレーの大会。
しばらくその風景を眺めてから、また歩き始めた。今度は北へ。

 

偶然、登呂遺跡博物館のプレオープンを発見、しばし見学。
稲オタクにはたまらない内容。じっくり観ていたら、声を掛けていただいた方あり。
迷彩パンツにセサミストリートのTシャツの僕。一応名刺交換。照れくさかった。

 

14:00猛烈にお腹が空いた。
新聞社の向かいにあるショッピングセンターに駆け込み、ハンバーガーとポテトとアイスコーヒーを補給。
隣接するスポーツ店でスニーカー衝動買い。メレルとか云うメーカーのモノ。半額。その場で履き換え、さらに北へ。

 

友人が出展しているイベントへ顔を出す。
この土日月の3日間ここでへたすら営業活動だという。
グッドラック!aさん
自動販売機で水購入。今度は駅を目指す。

 

もと来た道に戻り、駅を抜け、繁華街を抜け、七間町。
別の友人eさんが小さなギャラリーで建築と家具の展示会をやっていた。
「自転車ですか?」と、不思議な空間の奥から笑顔で現れるeさん。
「歩きなの。じつは今日、海まで歩いちゃったよ」
旅の話しをした。イサムノグチが大好きなeさんは、この秋、北海道へ行くそうだ。

 

すっかり暗くなった通りでは、ハワイアンバンドが演奏している。
目の前の見慣れたバスの誘惑は魅力的だったが、残念ながら通り過ぎて行った。
衝動買いのスニーカーは好調。公園抜けると、ようやく自宅が見えた。


思いと材料から流れを作るアイデアの件については、申すまい。

 

2010年09月20日 [ 3906hit ]
快晴。暑かった。
快晴。暑かった。

今日は数名の方と食事会をした。
そこでカミアカリのお話しをさせていただいた。
調子に乗って生意気なことを喋ってしまったな・・・。
でもまあ、思っていることを、素直に出力したのだから、良しとしよう。


これからどうなるか。いやどうするのか?
大きな事から、小さな事まで、いつもどうするのかを考え、そして選ぶ。
今年は、そういう様々な岐路が山積している年だと実感している。

 

正月明けのまだ寒い日、たまたま書店で手に取った本。
「右か、左か 心に残る物語 日本文学秀作選 沢木耕太郎編」
を、何度も読み返している。

 

今日も寝る前に拾い読みしようと思う。

 

画像:岡部にて

2010年09月18日 [ 3778hit ]
面白がる人。
面白がる人。

ご飯炊きのことを、会社(建築会社)の小冊子で紹介したいとのことで、10:00から土鍋炊飯のレクチャー。
一昨日、この件を依頼しに来た彼女がやって来た。
上司の命令なのか?それとも自ら企画して来たのか?
いずれにしても彼女は筋が良かった。
いや、「面白がった」と云うほうが正しいかな。


どんな仕事でも、とにかく面白がったほうがいい。
ことに、モノ作りは面白がれば面白がるほどに、いい仕事ができる。そしてそれは、人に喜ばれる。
今日初めて「土鍋フルマニュアルご飯炊き」を経験した彼女は、きっと今晩自宅でそれを再現し、家族に喜ばれているはずである。


よくご飯炊きは、「男性向き・・・」なんて云う方があるが、そこに女も男もない。と、僕は思う。
あるのは、「そいつが、面白がる人か?そうでない人か?」だけである。

 

買ったばかりハイパワー4.1kwのポータブルカセットコンロ。コイツは面白い。
いいモノは、道具だって区別しない。

 

2010年09月16日 [ 3932hit ]
マエストロ。
マエストロ。

昼から飯炊き。
それも新米の玄米というリクエスト。
しかも道具は羽釜、燃料は薪。
まさに炊飯ミッション。
仲間内でマエストロと呼ばれている盟友と共に行ってきた。

 

薪が燃えるパワーは、家庭用の電気やガスとは比べもにならないくらいのトルクフル。
しかし火力コントロールには少しテクニックを要す。
3510グラムの浸漬米重量に対して、加水重量4410グラム。
二升の羽釜の概ね7割ほどの容量。
着火後ジャスト10分で沸騰。さすがマエストロ!
少し風もあったこともあり、火力が思いのほか強い。
釜の中の対流を想像するだけで、妙に興奮する。
白米を炊くのと違い、この時間は少し長い。釜から吹く出す湯気はじつに美しい。

 

水が切れ始めた頃を見計らって、徐々に火力を落とし、おき火にする。
釜内100度くらいをイメージしながら、蒸らし工程に入る。
最後にもう一度、少しだけ火を入れる。
あとはじっくり待つ。全工程約45分。
火力コントロールは完璧だった。

 

ブラーヴォ!マエストロ。

2010年09月14日 [ 3622hit ]
家

「いい空気が流れる感じが好きなんです」。
今日午前中に来た建築家の彼女はこう云っていた。
ひと通り会話した後、彼女の好きな家について、僕の質問の答えがこれだった。

彼女は所属する建築会社が作る小冊子のための取材の協力要請でやって来ていた。
炊飯について、次号で書きたいという希望で。
水曜日の午前中、実践取材ということで、早速スケジュールに入れた。

「好きな建築家は?」と、もう一つ質問した。
すると数人の名前が出た。
どこかで聞いたことのある名前だったが、残念ながら僕には分からなかった。
手帳に書き止めておいたので、ネットで調べてみたら、見たことのある建築と建築家の風貌が画面に出た。
「ああ、なるほど」。
彼女の自動車、着ている服、ノートの使い方、その所作から醸し出る暮らしぶりと
彼女の嗜好している家の暮らしぶりが、ちょっとだけ見えた気がした。

明後日の午前中は、ご飯炊きをやる。
彼女の云う、「いい空気が流れる感じ」の実現に、少しでも役立つといいと思っている。
 

※画像はイメージです。

2010年09月13日 [ 3435hit ]
自己同一性。
自己同一性。

 向かい側に座っている友と話した。
そいつは、若い時分から海外経験も豊富で、マンハッタンの先っぽを闊歩していた時期もあった。

だからというわけでもないが、聞いてみたのだ。

 

「ねえ、いつから使うようになった?アイデンティティって言葉。」

すると彼は即座にこう答えた。
「俺ね。高校の部室にあった本の中にその言葉を見つけてんだ。アイデンティティってさ・・・」

「その本って?タイトルは?」

「なんとなくクリスタル」。

「あ〜懐かしいね。80年代初めだった気がするね。バブル前夜か・・・」

「その本の中に、『アイデンティティ』って書いてあって、意味わかんなくて、すぐ辞書で調べた」

「で、なんて書いてあった?」
「自己同一性」。
「なんだそれ?よけい訳わかんないな・・・」
「でもさあ、あの本が初めだと思うな・・・アイデンティティ元年は」。

 

identity(アイデンティティ)
人格における存在証明または同一性。ある人の一慣性が時間的・空間的に成り立ち、
それが他者や共同体からも認められていること。自己の存在証明。自己同一性。同一性。
<広辞苑:第5版>
 

2010年09月12日 [ 3966hit ]
こうべを垂れる。
こうべを垂れる。

 庭にあるマイリトルライスフィールド。栽培している巨大胚芽米カミアカリは、ついにこうべを垂れるところまでやって来ました。
 すでに藤枝の松下圃場のカミアカリはすでに収穫しましたが、こちらのカミアカリは、まだ枝梗(しこう:籾が付く枝の部分)も青く、収穫にはまだ数日というところ。


 さてこの一株を、この後どんな風にしようかと只今思案中。そこで根を残してドライフラワー状にすることを思いついた。
 アンコメ来られたことのある方ならご存知でしょう。20種ほどの新旧の稲コレクション。これは、松下さんの実験圃場で栽培されているものなのですが、そのコレクションにカミアカリも加えようと思うのです。そのために根ごと株を引き抜いて天日干しにして乾燥させるのです。どこれくらい根が張っているのかがこれでよ〜く判ります。作業には日曜日あたりがベストかな。

2010年09月09日 [ 4031hit ]
宿題山積その後。
宿題山積その後。

貯まっていた宿題を、ひとつひとつコツコツやっている。

先週末に長いことそのままに放ったままだったことをひとつやり遂げた。

そして月曜日にひとつ、そして今日の宿題は人に会って説明すること。

この宿題は、持ち帰って明日中にまとめるつもり。
ちょっと疲れました。車で300キロ走ったからね。
帰りに道に富士の梨農家さんに寄りました。
秋月という梨を仕入れました。

大粒で甘い梨。明日から売ることにします。15ケース。
そんなわけで、今日は少し疲れてます。早く休むことにします。
台風が接近しています。

明日はどんな日になりますやら?
お米に触れ、電話をし、お茶を飲み、ご飯を食べます。
久しい人にも会います。きっとお酒も少しいただくことでしょう。
 

2010年09月07日 [ 3682hit ]
宿題山積。
宿題山積。

 子供たちの夏の宿題も、ここからが大詰め。我が家の小学生2名も、少し焦り始めた様子である。

 いっぽうアンコメ店主も、土日で行った「カミアカリツーリズム静岡藤枝」が無事終わったこともあり、今日は少しホッとしたところではあるのだが、そうのんびりもしていられない状況である。やらねばならない宿題が子供たち以上に山積しているのだ。

 

 今週から新米の入荷(静岡森町堀内米コシヒカリ)も、いよいよ本格的化。同時にお米以外の商品企画も目白押しなのである。
 例えば明後日には、おなじみ新潟の「しろくま」から、が入荷する予定だし、先週から入荷が始まった時田なし園の富士なし(豊水)も入ってくる。
 その後は、大塚ぶどう園のぶどう(ピオーネ、瀬戸ジャイアンツ)の予約販売もある。と同時に、10月中旬から販売する丹波の黒豆枝豆(丹波黒若さや)のご予約の受付開始。あ〜そうだ。お彼岸のおはぎのご予約もはじまるんだった・・・。

 

 食べることが大好きだから、楽しんで仕事をしているから良いのだけれど、タイミング良く情報発信しないと、いくら良いものでも、ないのと同じになってしまう・・・。子供たち同様、この時期になると焦り始めるのにはこんな訳があるのだ。

 さあ明日から宿題ガンバロー!

2010年08月23日 [ 3829hit ]
栃山川散歩
栃山川散歩

 8月21日と22日にカミアカリツーリズム静岡藤枝で訪ねる場所を少しだけ教えちゃいましょう。その最終回です。

 

 松下さんの田圃が、このツーリズムのゴールではありません。栃山川をさらに下り、かつての大井川の氾濫原であった頃の志太の面影を訪ね歩きます。栃山川緑地公園栃山川自然生態観察公園本中根の集落がそれらです。
 ここでは民俗学調査の仕事をされていて、勉強会メンバーでもある外立さんに解説していただきながら、この界隈を散歩していきます。

 

 ここは、かつて栃山川が蛇行して流れていた、そのままの姿で公園として保存されているたいへん珍しい場所で、昭和61年頃に河川改修工事が終わり現在の姿になりました。
 見所はたくさんありますが、「キレーショ」(旧流路と新流路の接点)はなかなか壮観です。また旧流路沿いに弧を描くように茂る雑木林は、たいへん美しい景観です。

 

 本中根の集落は専門家の解説なしでは、きっと見過ごしていまうことばかりです。しかし、そのどうってことない風景の中に、この土地ならではの遺構が満載です。
 例えば「ヤシャンボー」と呼ばれる木をご存知でしょうか?現在、この本中根でヤシャンボーが唯一存在する場所が、栃山川沿いにあります。

 

<ヤシャンボーについて>
 かつて大井川下流では広くヤシャンボーが茂る風景が見られました。ヤシャンボーは土手の崩落を防ぐためや、薪にするため、潮風を防ぐためなど多目的に植えられました。またヤシャンボーの間に竹をかけてそれらを横木とし、稲をかけて干すハンデに利用されたり、牛をつないだり、休憩の場でもありました。また古くは、女性のお歯黒を塗るとき、ヤシャンボーの実を噛みながら行ったという話しもあります。
 そんなヤシャンボーの木も、昭和30年代の土地改良によって水田や道路が整えられたり電気やガスの普及によって薪の必要性もなくなったことで、その姿を消していきました。

 

 こんな風に、長い時間をかけて大井川が作った扇状地、志太平野には、時代と共に人が生きるために水と関わった多くの遺産がたくさんあります。現在、その風景はすっかり姿を変えましたが、水と関わる人の歴史は今も現在進行形です。
 今回のカミアカリツーリズム静岡藤枝では、それらを実際に見て歩くことで、時空を越えて体感してもらうように準備をしました。
 いよいよ明日、JR六合駅からこの旅は始まります。

 

参考文献:焼津市民俗調査報告書 第四集

 

画像上:栃山川の現在の流路。右手が森が旧流路。

画像下:夕刻のヤシャンボー。
 

2010年08月20日 [ 4282hit ]
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